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2022年4月21日木曜日

Blackfin DSPのMiniConfig Terminalの使い方(PATHを通してコマンドラインからLチカプログラム書き込み)

Blackfin DSPの書籍に付属しているCD-ROMからソフトウェアをセットアップすると,GUI書き込みツールとCUI書き込みツールがインストールされます.ただ,これだけでは以下のような状態で,プログラムを自由に作成して書き込むことができません.

  • CUIプログラムがメニューから呼び出しているのはC:\Program Files (x86)\CuBeatSystems\Blackfin MiniConfig for IFX-49\bin\miniconfig-terminal.batで,コマンドプロンプト窓の背景色を緑色にして,このディレクトリを作業ディレクトリとしてcmd.exeを実行している.ここで,miniconfig-cui.exeプログラムを実行するとプログラムの書き込みができるが,このディレクトリにPATHが通っていないため,ソースコードのあるディレクトリで実行できない.
  • GUIプログラムからはUSB-DACを含む様々なサンプルプログラムを書き込むことができるが,自分でコンパイルしたプログラムを指定して書き込むことができない.
そこで,まず前者を解決したいと思います.PATHをこのディレクトリに通します.
  1. まず「システムのプロパティ」ウィンドウを開きます.このためには,「Windowsキー+s」を押して,表示された検索ボックスに「システムの詳細」と入力します.すると「システムの詳細設定の表示」が表示されるので,これをクリックしてください.
  2. 「システムのプロパティ」ウィンドウが開きます.「詳細設定」タブが選択されているので,このウィンドウの一番下にある「環境変数」ボタンをクリックします.
  3. 上の「ユーザー環境変数」のPath環境変数の最後に,先ほどのディレクトリをセミコロンで区切って書き加えます.Pathの行をクリックして選択した後,「編集」ボタンをクリックしてください.
  4. 「環境変数名の編集」ウィンドウが開きます.このウィンドウにはPathの通っているディレクトリ(コマンドプロンプトでコマンドを入力したとき,その実行ファイルを検索するディレクトリ)が1行に1個ずつ書かれています.「参照」ボタンをクリックして「PC」→「C:」→「Program Files (x86)」→「CuBeatSystems」→「Blackfin MiniConfig for IFX-49」→「bin」を選択して「OK」ボタンをクリックすると,一番下の行に「C:\Program Files (x86)\CuBeatSystems\Blackfin MiniConfig for IFX-49\bin」が追加されます.「OK」ボタンをクリックしてこのウィンドウを閉じます.
  5. 「環境変数」ウィンドウで「OK」ボタンをクリックしてこのウィンドウを閉じます.
  6. 「システムのプロパティ」ウィンドウで「OK」ボタンをクリックしてこのウィンドウを閉じます.
  7. 改めてWindowsメニューから「Blackfin MiniConfig Terminal」を開きます.「echo %PATH%」というコマンドを打ち込んでEnterキーを押すと,一番最後に今追加したディレクトリが表示されています.

  8. これで,普通にコマンドプロンプトから,どのディレクトリにいても「miniconfig-cui.exe」コマンドが実行できるようになりました.

  9. 直前の3つのディレクトリにはgccなどのプログラム作成に必要なコマンドが含まれていますので,これでプログラム作成から書き込みまですべてのコマンドにPATHが通った状態になりました.
以上で,led_blinkのディレクトリで右クリックをしてターミナルを開き,書籍の36ページのリスト2のコマンドラインでプログラムを書き込むことができるようになりました.

















2022年4月14日木曜日

CQ出版のBlackfin DSPセットアップとLチカ,このボードをUSB-DACとして使用する

ツールチェーンのインストール

sourceforge.netからツールチェーンをダウンロードしてインストールします.ここから最新バージョンをダウンロードします.2022年4月現在,2014R1が最新バージョンのようなので,このディレクトリの中を見ると,2つのバージョンが置いてあります.2014R1_45-RC22014R1-RC2があり,前者がgcc 4.5,後者がgcc 4.3を用いたバージョンのようです.ここでは最新版の前者をインストールしてみます.Windows用のバイナリをダウンロードします.

ファイルblackfin-toolchain-win32-2014R1_45.exeがダウンロードフォルダの中にダウンロードされるので,これをダブルクリックして実行します.


[Next]ボタンをクリックします.


[I Agree]ボタンをクリックします.


そのまま[Next >]ボタンをクリックします.


インストール先のフォルダを確認されますので,そのまま[Next >]ボタンをクリックします.ここでは「Program Files (x86)\Analog Devices\GNU ToolChain\2024R1_45」にインストールされます.


スタートメニューの場所を確認されますので,そのまま[Install]ボタンをクリックします.


インストールが開始されます.


インストールが終了しました.


コマンドプロンプトを開いて「bfin-elf-gcc --version」というコマンドを打ち込んで,上記のようにバージョンが表示されたら,PATHの設定まで正常に終了しています.うまくいかない場合は,環境変数PATHに以下のパスが追加されているか確認してください.

C:\Program Files (x86)\Analog Devices\GNU Toolchain\2014R1_45\extra-bin
C:\Program Files (x86)\Analog Devices\GNU Toolchain\2014R1_45\elf\bin
C:\Program Files (x86)\Analog Devices\GNU Toolchain\2014R1_45\uclinux\bin
C:\Program Files (x86)\Analog Devices\GNU Toolchain\2014R1_45\linux-uclibc\bin

Lチカプログラムのダウンロードとコンパイル

次に,サンプルプログラムをダウンロードしてインストールしてみます.LEDを点滅させるプログラムがCQ出版のサポートページにあるので,ダウンロードします.

ファイル「led_blink.zip」をダウンロードします.zipファイルを展開するとフォルダ「led_blink」ができるので,これを,書籍の付録CD-ROMからコピーしたフォルダ階層の中のフォルダ「effect_sample」の中にコピーします.コマンドプロンプトでここに移動してください.


makeコマンドを入力すると,次のようにファイルがコンパイルされて,ファイル「led_blink.ldr」ができます.


フラッシュROM書き込みツールのインストール

書籍付録のCD-ROMのフォルダ「miniconfig」の中にあるファイル「miniconfig-1.6.3.msi」をダブルクリックして実行します.次のようなダイアログが表示されます.


「次へ」ボタンをクリックします.


上の図のようなダイアログが表示されるので,ここでも「次へ」ボタンをクリックします.


上の図のようなバージョン情報が表示されるので,「次へ」ボタンをクリックします.


インストール先のフォルダを選択するダイアログが出ますので,そのまま「次へ」ボタンをクリックします.このときフォルダ「C:\Program Files (x86)\CuBeatSystems\Blackfin MiniConfig for IFX-49\」にツールがインストールされます.


上の図のようなダイアログが表示されるので,「次へ」ボタンをクリックするとインストールが始まります.


インストール中です.


インストールが終了しました.「閉じる」ボタンをクリックしてインストーラを終了してください.


デスクトップにコンフィグツールのアイコンが2個できています.また,スタートメニューにも登録されています.

GUIツールでのプログラムの書き込み

ここではプログラムをblackfinボードに書き込みます.デスクトップのアイコン「Blackfin MiniConfig GUI」をダブルクリックしてプログラムを起動します.


USBポートにボードが接続されていなかったり,ボードが認識されていなかったりすると,上の図のようにグレースケールでボードの絵が表示されます.


ボードをUSBケーブルでパソコンに接続すると,ボードが認識されて「ターゲット」にボードのIDが表示されます.

次に書き込むプログラムを選択します.表示されているプログラムを書き込んでみます.

ボードのジャンパーピンを接続してボードのRESETボタンを押した後,プログラムの「書き込み」ボタンをクリックします.

下のプログレスバーが表示され,プログラムが書き込まれます.プログラムの書き込みが終了すると,次のような「完了しました」というダイアログが表示されます.


Lチカプログラムの書き込み

上で作成したLチカプログラムを書き込むには,makeして出来たled_blink.ldrファイルをこのGUIツールにドラッグ&ドロップすれば良いです.
まずボードを書き込みモードにするために,ジャンパーピンを繋いでリセットボタンを押します.その後で,led_blink.ldrファイルをファイルエクスプローラーからドラッグ&ドロップします.
プログレスバーに進捗が表示され,プログラムが書き込まれます.
プログラムの書き込みが終わりました.
ボードのジャンパーピンを外してリセットボタンを押すと,プログラムが実行されます.

USB-DACとしての使用

上記のプログラムでは,書き込むプログラムがあらかじめ決まっているようです.ここでは,このボードをUSB-DACとして使用する「misc_ifx49_usbdac.ldr」をアプリケーションとして選択して書き込みボタンをクリックします.


書き込みは,ボードのジャンパーピンを繋いで,RESETボタンを押した後ソフトウェアから書き込みです.実行は,ボードのジャンパーピンを外して,RESETボタンを押します.


無事にこのボードがUSB-DACとして認識されてパソコンの音をこのボード経由で出すことができました.

このボードはエフェクターとしてのアプリを念頭に置いたDSPボードなので,このUSB-DACの出力音にいろいろとエフェクトをかけることができそうです.