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2021年1月1日金曜日

低電圧ハイブリッド真空管アンプの設計と製作

真空管アンプ製作の本を執筆しています.出版社の担当編集者の方の提案で,Web上で公開しながら執筆しています.
以下のような構成です.
  1. 真空管の仕組みと種類
    1. 真空管とは
    2. 電圧と電位
    3. 電場と電荷
    4. 熱電子放出と二極管
    5. 三極管
    6. 四極管
    7. 五極管
    8. ビーム管
  2. 真空管を用いた増幅回路
    1. 真空管のバイアスの掛け方
    2. 三極管を用いた増幅回路の設計
    3. 段間結合方法
    4. 入力インピーダンスと出力インピーダンス
  3. LTspiceXVIIの設定および使い方
    1. LTspice XVIIとは
    2. LTspice XVIIのインストール方法
    3. 簡単な回路の作成とシミュレーション
    4. SPICEモデルの入手と追加方法
  4. 低電圧における真空管のモデル作成
    1. 低電圧の場合の真空管のEp-Ip特性の実測
    2. 低電圧の場合の真空管モデルの作成
  5. 低電圧ハイブリッド真空管アンプの各パーツのシミュレーション
    1. 6DJ8を用いた増幅回路
    2. 12AU7を用いた増幅回路
    3. 12AX7を用いた増幅回路
    4. 6AK5を用いた増幅回路
    5. 6AS5を用いた増幅回路
    6. KORG Nutube 6P1を用いた増幅回路
    7. バッファ回路
    8. オペアンプを用いたバッファ回路
    9. トランジスタを用いるバッファ回路
    10. FETを用いるバッファ回路
    11. プッシュプル型バッファアンプ用正負電源回路(レールスプリッタ)
  6. 低電圧ハイブリッド真空管アンプのシミュレーション
    1. 6DJ8を用いたハイブリッドアンプ
    2. 12AU7を用いたハイブリッドアンプ
    3. 6AK5とFETバッファを用いたハイブリッドパワーアンプ
    4. KORG Nutubeを用いたハイブリッド真空管アンプ
設計とシミュレーションの部分まで,ほぼ書き終わりました.これから,実際の製作と測定に関係する部分の執筆に入ります.

2019年3月28日木曜日

WE408A三結の低電圧特性

WE403A(6AK5)のヒーターが20Vになったバージョンである,WE408Aの三結について,低電圧特性を測ってみました.


WE 408A MT7pin




五極管 ヒーター 20V 50mA



三極管接続 Eg2=Ep







Eg

Ip(mA) 0 -0.2 -0.4 -0.6 -0.8 -1
Ep 0 0.013 0.006 0.003 0.002 0.002 0.001
1 0.017 0.008 0.004 0.002 0.002 0.001
2 0.024 0.011 0.005 0.002 0.002 0.001
3 0.034 0.016 0.007 0.003 0.002 0.001
4 0.046 0.023 0.011 0.004 0.003 0.001
5 0.061 0.031 0.015 0.006 0.003 0.001
6 0.08 0.042 0.02 0.009 0.004 0.002
7 0.102 0.056 0.028 0.013 0.006 0.002
8 0.129 0.074 0.037 0.018 0.008 0.003
9 0.161 0.093 0.049 0.024 0.011 0.004
10 0.199 0.117 0.063 0.032 0.014 0.006
11 0.238 0.143 0.08 0.042 0.02 0.008
12 0.277 0.173 0.099 0.054 0.026 0.011
13 0.29 0.207 0.122 0.068 0.034 0.015
14 0.3 0.243 0.147 0.085 0.043 0.02
15 0.31 0.282 0.176 0.103 0.054 0.027
16 0.32 0.29 0.208 0.125 0.066 0.033
17 0.33 0.29 0.244 0.149 0.081 0.042
18 0.38 0.3 0.283 0.172 0.098 0.052

まず,次のグラフがEp-Ip特性です.それぞれの折れ線のラベルがEgの値(V)です.6AK5(403A)は内部抵抗が大きいので,この程度の低電圧だと1mAも流れていませんが,そこそこ綺麗な三極管特性がこの程度の電圧でも見られます.Eg=0Vと0.2Vのとき,0.3mAぐらいでサチってしまっています.これが何かは,もう少し広い範囲で見てみないと分かりません.

次のグラフがEg-Ip特性です.それぞれの折れ線のラベルがEpの値(V)です.

これらの特性を見ると,普段プレート電圧が100V単位のスケールで見ている傾向が,10V程度でも見えます.負荷抵抗を大きくすれば,12Vや30V程度のB電圧で十分使えそうです.