NJM4558のSPICE用のデータは新日本無線のNJM4558のページ内の「設計ツール」→「NJM4558マクロモデル」から入手できます.ダウンロードしたzipファイルを解凍すると,ファイルnjm4558_v2.libがありますので,これをLTspice XVIIのディレクトリ(Macの場合は/Users/(username)/Library/Application Support/LTspice/)のさらに下のディレクトリlib/sub/の中にNJRというディレクトリを掘って,その中に置きます.
このファイルは,通常の8pinオペアンプのモデルになっているので,これをシングルオペアンプに変更します.njm4558_v2.libをnjm4558_v2_single.libにコピーして,端子の個数と順番を合わせるために,以下のように変更します.
njm4558_v2.lib
.SUBCKT NJM4558 OUT1 -IN1 +IN1 V- +IN2 -IN2 OUT2 V+ X1 +IN1 -IN1 V+ V- OUT1 njm4558_s X2 +IN2 -IN2 V+ V- OUT2 njm4558_s
njm4558_v2_single.lib
.SUBCKT NJM4558 +IN1 -IN1 V+ V- OUT1 X1 +IN1 -IN1 V+ V- OUT1 njm4558_s
シンボルファイルは,opamp2.asyを使います.LTspice XVIIのディレクトリのさらに下のディレクトリlib/sym/OPamps/の中にファイルopamp2.asyがありますので,ディレクトリlib/sym/の中にNJRというディレクトリを掘って,そこにnjm4558.asyというファイル名でコピーします.
次に,ファイルnjm4558.asyをテキストエディタで開いて,先頭がSYMATTRで始まる行を書き換えます.
変更前:
SYMATTR Value opamp2 SYMATTR Prefix X SYMATTR Description Basic Operational Amplifier symbol for use with subcircuits in the file ./lib/sub/LTC.lib. You must give the value a name and include this file.
変更後:
SYMATTR Value njm4558 SYMATTR Prefix X SYMATTR Description Operation Amplifiers manufactured by NJR SYMATTR ModelFile NJR\njm4558_v2_single.lib
Macでもディレクトリセパレーターとしてbackslash(\)を使うのが気をつけるところです.
この状態でLTspice XVIIを起動します.新規回路の作成を選んで,右クリック→「Draft」→「Component」を選択すると,[NJR]の中からnjm4558が選べるので,これを配置します.
図.オペアンプを選ぶ
njm4558をクリックした時点で,回路画面上にマウスカーソルを持っていくと,カーソルがオペアンプの形になり,クリックすると画面上に配置できます.何個でも配置できますので,ESCキーを押すと配置が終了します.
図.njm4558を配置
これを用いて反転増幅回路を作ってみます.ここでは以下の図のように抵抗値を設定しました.10倍の反転増幅回路です.左下の「.tran 5m」というのがSPICE directiveでシミュレーションを実行する命令です.マウスで右クリック→「Draft」→「SPICE directive」を選択するか,ショートカットキー「s」で編集画面が表示されるので,書き込んで画面の適当な余白にこれを置きます.
図.10倍の反転増幅回路
左上の人が走っている形のRUNボタンをクリックするとシミュレーションが実行されます.この後,赤い鉛筆型の電圧プローブでINとOUTをクリックすると,以下のように入出力波形が表示されます.
図.シミュレーション結果
日清紡に移管されて、モデルデータはここになっていますね。
返信削除https://www.nisshinbo-microdevices.co.jp/ja/mynisd/encrypted_spice_model.html