この図書館には当然ながらWebサービスがあり,他の(大学などの)図書館と同様,蔵書検索が可能です.面白いのは,国立国会図書館デジタルコレクションなるものです.著作権の保護期間が満了している書籍が,一冊丸ごと,PDFで公開されています.国会図書館に出向いても,これらの書籍のコピーを一冊丸ごと頼むことは不可能なはずですし,日本史の授業に出てきたような古典であれば,恐らく閲覧もできないのではと思われるので,これは貴重なサービスです.また,現在でも重版され販売されている本であっても,実は著作権が切れているものは多いので,その原著を無料で,しかもPDF形式で見ることができるという便利さもあります.
特に,有名な古典は現在でも出版されていますが,原本出版当時の実物を見ることもなかなか無いので,面白いものが多いです.以下にいくつか紹介します.
紫式部による源氏物語です.上記のリンクは1654年出版のものです.
「春はあけぼの」で始まる,清少納言による随筆集です.寛永年間に出版されたものが閲覧できます.
塙保己一によって編纂された,1793年-1819年刊行の一大叢書です.1273種もの古典が含まれており,個別の書物を探さなくても,これを見れば済む場合もあります(cf. Wikipedia「群書類従」).
葛飾北斎の画集です.北斎と言えば富嶽三十六景が有名な画家ですが,これも見応えがああります.漫画とは言っても現在の漫画のようにストーリーのある漫画ではなく,スケッチ集です.
明治時代に,大槻文彦一人によって編纂された,最初の近代的な辞書です.元々は文部省によって刊行される予定でしたが,予算が立ち消えそうになり,1889年から1991年にかけて自費出版されました(cf. Wikipedia 「言海」).amazonでKindle版でも文庫版でも入手可能ですが,こちらではPDFファイルが無料公開されています.出版された時代が感じられ,国語辞典,古語辞典の両方を兼ね備えた辞書として用いることもできます.
以外と色々な本がPDF化されているので,日本史や国語の授業で学んだ本などを探してみてください.Webの世界と同様,無限とも言える情報が簡単に入手できます.